妄想企画「お茶にごす。全30巻」Part.22 (2年クリスマス)

拍手、コメント、ありがとうございます~^^
今日2回目の更新です~!

今日はこのブログでのこっそり企画、「妄想お茶にごす。全30巻」に、だいちさんからお寄せいただきましたショートストーリーの紹介です。
今回は、以前いただいていた2年生クリスマス。さらに先日UPしたあらすじのタイミングに合わせてバージョンアップ書き足してくださいました。
茶道部&アニ研合同のクリスマスパーティ・・・ところが肝心のまークンがいない?!
でも素敵なクリスマスが・・・!

だいちさん、今週もありがとうございました!

以下、だいちさんからのご投稿です^^
↓「続きを読む」をクリック

<背景>
空の澄み切った12月のある日、まークンと部長は2人で
近くの街をゆったりと歩いている。
街はもうクリスマス一色…和やかであり、そして華やかな
雰囲気でどこも賑わっていた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


クリスマスムードの街を歩きながら、部長が雅矢に質問する。

「もうすぐクリスマスですね。
 クリスマスというと、船橋クンは何を思いだしますか??」

「いや、オレはキリシタンじゃないっスからね。
 だから、クリスマスとかは全くの無縁っスよ。」

「…そうなんですか。」

雅矢の返事に考え込む部長。
彼女には今まで恋人と呼べる人はいなかったが、それでも
楽しいクリスマスの思い出はたくさんあった。
…雅矢の不幸な家庭事情を彼女はすでに知っている。
それだけに、本人は全然気にしていないのに関わらず、
楽しい思い出が彼の記憶に全くないことを、とても淋しく
感じていたのだ。

…船橋クンに…
何か楽しいクリスマスの思い出を作ってあげたいな…。

やがてそのプランを思いついた彼女は、微笑を浮かべながら
雅矢に語りかけてきた。

「私もクリスチャンではありませんが、人の和を尊ぶ気持ちは
 茶道とも通じていると思います。
 私は…人の優しさがわかるクリスマス、好きですよ。」

「そっスか。」

「船橋クンも、今年は少し楽しんでみませんか??」

部長は雅矢に、クリスマスの様々な楽しみ方について語った。
いろいろと話しているうちに、だんだん話に夢中になって、
次第に部長らしくない友達口調になってくる。
そしてクリスマスについて子供みたいに楽しそうに語る部長に、
雅矢は彼女の別な一面を見たような気がしていた。

「…でもね、私、クリスマスで一つ残念なことがあるんだ。
 それはホワイトクリスマスが一度も見られなかったこと。」

「ホワイトクリスマスって何スか??」

「雪の降るクリスマスのこと。きっと素敵でしょうね。
 でも、この辺は暖かいから…それは無理よね。」

そう呟いた彼女は小さな溜息をついた。

…もしも、船橋クンと2人で…
ホワイトクリスマスを見られたら、最高なのにな…。

部長の様子を見て雅矢が考え込む。

…雪か…

ふと雅矢は遠くを見つめた。その時、彼の瞳に映ったものは…。

「…!!…」

思わずハッとした表情になる雅矢。
そして次の瞬間、彼はパッと明るい表情になっていた。
そんな雅矢を、部長は不思議そうな顔で見つめていた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


<話の途中経過>
素敵なクリスマスの思い出が全くないまークンのために、
部長は何か楽しい思い出を作ってあげたいと考えた。
良い考えはないかと夏帆と山田に相談を持ちかけたところ、
偶然も手伝って茶道部とアニ研全員が知るところになった。
野次馬根性も手伝って、皆、大いに乗り気になる。
そしてクリスマスも近いある日、まークンに秘密の計画を
知られないようにと、山田の家に参加希望者全員が相談に
集まったのだが…。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


茶道部6人、アニ研6人…大学生の部長を入れて総勢13人が、
山田家のリビングルームで顔を合わせていた。

「…もしマンガなら、やっぱりサプライズパーティーかな。
 友情に主人公の目頭が熱くなる…少年マンガの定番だよ。」

アニ研3年の沢村がマンガから連想したアイデアを述べた。

「サプライズでよくある演出としては、大きなケーキがあって、
 船橋クンがナイフを入れると中から美女が出てくるとか。」

「人が入れるほど大きなケーキを用意するの??」

ケーキの言葉に夏帆が反応した。甘いものは大好きだ。

「もちろん、そのほとんどはハリボテだよ。
 でもアニ研のテクを駆使すれば本物そっくりにできるから。」

「それで美女っていうのは??」

美女の言葉に山田が反応した。美女と美少女は大好きだ。
しかし、意外にも彼の問いに即答したのはヒナだった。

「もちろん、部長サンに決まっているじゃないですか。」

「エッ!」

「この場合、バニーガールの衣装がやはり定番ですよね。」

「エエッ!!」

予想外のキーパーソンをあてがわれてドギマギする部長。

「バ…バニーガールですか??…」

「大丈夫ですよ、部長サン。
 もし一人で恥ずかしいなら、ヒナが付き合いますから…。」

しかし、ここで話が急展開した。

「でもギャグマンガだと、カットする時の勢いで、中の美女に
 ナイフが刺さっちゃったりして…。」

「…ホラーマンガでも、そのパターンはあるかも。」

「…!!…」

この一言で水が差され、このプランは即座に廃案が決まった。
余計なことを言うヤツだとアニ研の一年生たちを睨む山田。
しかし、彼自身もこの女好きはという眼で夏帆に睨まれて
いたことに山田は全く気付いていない。

「じゃあ、恋愛マンガの定番で2人きりのクリスマス…ね。」

まだアニ研の部長を務める結城が、自分好みのマンガから
次のアイデアを述べた。

「2人きりのクリスマス…か。」

智花がその言葉に反応する。
好きな人と2人でクリスマスを過ごせたら…。
ふと脳裏に浮かぶヒゲの濃い好青年。

「まーサンと部長サンが、2人でラブラブのクリスマス…
 確かにきっと絵になりますよね。
 でも…私たちは何をすればいいんですか??」

「陰から暖かく2人を見守る…それがオレたちの役目だな。」

「うわーっ、傍で見守るんですね!!
 もしかして、キスシーンなんか、あります??」

「期待したいケド、そこは部長のアドリブにお任せかな。」

誰一人酒を飲んでいないのに、勝手に話が盛り上がっていく。

「まさか、その先のイケナイこともあるとか??」

「少年誌じゃなくて、成年誌のマンガですね!?」

山田が、メンバーそれぞれにラブラブムード盛り上げ係りを
割り振り始めた時点で、ついに耐え切れなくなった部長が
そのプランを却下した。
彼女の顔は耳まで赤く染まっている。

「…あの…他のアイデアはないでしょうか??」

部長の問いかけに、恋愛マンガで盛り上がっていた一同から
一人距離を置いていた夏帆が尋ね返した。

「もしかして、部長ご自身のアイデア、あるんじゃ??」

部長が取って置きのアイデアを紹介する。

「そうですね…。
 ここはクリスマスらしく、皆で教会のミサに出かけて…」

頬を染めて話す部長に、皆は期待して思わず身を乗り出す。

「…幻想的なろうそくの灯りの下で集い…そして…
 ひたすら聖歌を紙に写す…なんてどうでしょうか??」

「エーヌ・ジー!!」

山田を筆頭に皆から一斉に動議棄却の声が上がった。

「…そうですか…滅多にする人はいないと思うのですが。」

「写経じゃあるまいし、誰がそんなことやりますか!!」

前髪で顔を隠したアニ研の美少女がそれに付け加える。

「マンガ的にもそのパターンはないと思います。」

大きな溜息をつきながら、慎大寺が独り言を呟いた。

「この人、とんでもないことを言い出す癖、大学に入っても
 治らないのね。」

さらに時は流れ、日は傾いたが、話し合いは発散するばかりで、
なかなか方針が決まらない。
結局、この日に決まった事は、イブの夜にまークンの住まいに
集合してサプライズパーティーを開催すること、まークン同様に
クリスマスに楽しい思い出がなさそうな卓ちゃんを招待すること、
この2点だけだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


<話の途中経過>
楽しいクリスマスを過ごしたことが一度もないまークンのために、
部長はイブの日にサプライズパーティーを企画した。
茶道部、アニ研の皆も参加して、賑やかな催しになるはずだった。
…しかし、イブの日、どこを探してもまークンが見当たらない。
鍵も掛かっていない彼のマンションで、帰りを待つ一同。
まークンの家を自分の家同然に扱うヤーマダの強引な勧めもあり、
仕方なく主役不在のままでクリスマスパーティーを開催した。
夜が更けても彼は帰らず、ついに散会の運びとなってしまった
のである。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


部長は夜道を歩きながら、ふうと深い溜息をついた。
結局、彼女は雅矢と今日一日逢えなかったのだ。

…クリスマスイブ…なんだけどな…

普段なら、遅くなった時はいつも雅矢が家まで送ってくれた。
こうしてクリスマスイブの日に一人で夜道を歩いていると、
淋しくて何故だかいつもより寒さが身にしみる。

…船橋クン…どこに行ってしまったの??…

雅矢のことを考えながら、彼女は黙々と歩き続けた。

突然、彼女は自宅の前に雅矢の姿があることに気が付いた。
しかも、見慣れないと無表情にも見える彼の顔が、今は
誰でも一目で判るくらいに暗くなっていたのだ。
雅矢を心配した部長が、急いで彼の側まで走り寄る。

「船橋クン?? どうしたんですか??
 …今日は、皆で船橋クンを探していたんですよ。」

雅矢の様子がおかしいことを気にかけながら、部長が尋ねる。

「…部長へのプレゼント…取りに行ったんスけど…。」

「私へのプレゼント??」

雅矢は手にした大きなポリバケツを開けて見せた。
その中を覗き込む部長。

…水??…ううん、よく見ると少し違うような…。

突然、彼女はハッと気が付いた。

「…これ、雪…ですね。」

「…部長に雪を見せたかったんスけど…本当にすみません。
 富士山から持って帰る途中で全部溶けちまって…。」

「エエッ!! 富士山から?!」

クリスマスイブの一日、雅矢がどこにもいなかった理由…
それは富士山にまでこの雪を取りに行っていたからだった。
よく見れば、雅矢の服のあちこちに濡れてから乾いたような
汚れが付いていた。
彼は何も語らないが、それはきっと想像するよりはるかに
大変な旅だったのだろう。

…私に…ホワイトクリスマスを見せたかったのですね。

しかし、結局彼女に雪を見せることができなかったことで、
雅矢は自分自身を責めていたのだ。
彼女に合わす顔がなく、背を向けてうなだれている雅矢。

部長は、そんな彼を背後から腕を回して優しく抱きとめた。

「…私…優しい雅矢クンが…大好きです…。」

「…!?…」

…優しい雅矢クンが大好きです…
彼女のその一言で、あまりの嬉しさに全てがふっ飛ぶ雅矢。
天に昇る気持ちとは、きっとこのことに違いない。

そんな雅矢が我に帰ったのは時が少し流れてからである。
気が付くと部長は雅矢の前に回り、彼を揺さぶりながら
何か呼びかけていたのだ。

「雪!?…雪だよ、雅矢クン!」

「エエッ!?…あっ、本当だ…」

なんと時期外れの粉雪が夜空からサラサラと降りてくる。
思わず空を見上げる2人。自然とその掌が重なった。

…そして、微かに鈴の音が聞こえてくる。
はたしてそれは2人の気のせいだったのだろうか??

ほどなく季節外れの雪は止み、2人はお互いの顔を見合わせた。
雅矢が真顔で部長に質問する。

「部長。サンタクロースって、本当にいるんですかね??」

「私にも判りません。…でも、雅矢クン。
 いるって信じたほうが、何だか幸せな気持ちになれませんか?」

そう言って微笑む部長。
雅矢は彼女の微笑を見つめながら考え、やがて素直な心で答えた。

「そっスね。」

雅矢は微笑み、大切な人の掌を握る手に僅かに力を込めた。


今日、2人が一緒にいられた時間は本当に短かった。

・・・それでも・・・

雅矢と部長にとっては最高のクリスマスイブだったに違いない。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


部長がまークンを「雅矢クン」と呼ぶようになるイベントとして
セントクリスマスの出来事を描いてみました。
「雅矢クン」から「雅矢」に昇格するのは、後の「クライマックス」
イベントまで待ちます。(それはもうご存知ですよね。)

次回は、この話と対になるバレンタインイベントになります。




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テーマ : 西森マンガ - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

ご感想

こんばんわー。
クリスマスですねー。まーくんは一人暮らしでしたから寂しそうですよね。山田も自分のことがあるでしょうし。
それにしても、部長に上げるプレゼントを取ってくるまーくんは格好良いですね。電車で雪を持っているまーくんを想像すると笑えます。部長も嬉しいでしょうね。

No title

kazuyk さんコメントありがとうございます~
「キリシタンじゃないからクリスマスは無縁」っていうのがまークンらしくて気に入っています。
きっと小学生の頃じーさんに同じことを言われたんじゃないかな、とか・・・それで、そーいうもんかな、と思いつつもクリスマスの時も寂しい思いをしていたんじゃないかなーとかいろいろ想像できますよね。
しかしヒナちゃん部長にそんなことを提案するとは・・・さすが(笑)!

うーん

かえって哀しい話になってしまいますが、まークンは自分が
寂しい夜を過ごしていたことに気付いていなかなかったんじゃ
ないかな…と思います。
過去の彼は、感情が薄くて、寂しいという感覚が判らなかった
のですね。(心が痛む話です。)
茶道部に入って、部長の魂と共鳴することで、人としての
様々な感情が芽生えたのではないかと。

あ…ついついマジになってしまいました m(_ _)m

No title

だいちさんありがとうございますー!
そのへんが作品テーマになりそうですから大事ですね。
誕生日イベント妄想と同じになっちゃいますが小学生の時ヤーマダにも「オレはキリシタンじゃねーから」って言って、「なにジーさんみたいなこと言ってんの?」って突っ込まれたりして。
「それってさびしーだろ?!」みたいにヤーマダに言われて「そーかなー、そーかも」とか、言われるままにまークン的には「さびしい」は言葉面くらいで、ホントにさびしいとかわかってないみたいな感じで。
でもそれを想像すると、小学生の頃ヤーマダの家のクリスマスにも招待されていそうだなー←またそんな妄想・・・(笑)

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