妄想企画「お茶にごす。全30巻」Part.24 (2年バレンタインデー)

拍手、コメント、ありがとうございます~^^

掲載が遅れてしまって申し訳ありませんm(_ _)m!

今日はこのブログでのこっそり企画、「妄想お茶にごす。全30巻」に、だいちさんからお寄せいただきましたショートストーリーの紹介です。
今回は、先日いただきました、2年生バレンタイン。
ちょうどに合わせていただいたのですが、掲載が遅れてしまって大変申し訳ないです;;

まークンと部長のすれちがいのような、でも幸せなお話です!
銀世界の中で姉崎元部長の心配顔に雅矢は・・・?!
だいちさん、今週もありがとうございました!

以下、だいちさんからのご投稿です^^
↓「続きを読む」をクリック


<背景>
バレンタインデーに部長に呼び出された雅矢。
生まれて初めて貰えるかもしれないチョコレートに胸を躍らせ、
部長の家からほど遠くない公園で雅矢は彼女を待ち続けていた。
そこは、前日の荒天で降り積もった雪で覆われた銀世界だった。
しかし、約束の時刻になってもなかなか部長が現れない。
部長らしくもない遅刻に雅矢が心配をし始めた頃になって、
ようやく彼女は公園に現れたのだが…。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


部長は息をはずませながら雅矢のもとに走ってきた。
両手が空いているので体のバランスは取りやすいとは思うが、
彼女は少しそそっかしい所もあるので、雪で足を滑らせて
転ばないかと心配になる。

「ごめんね、待たせちゃって。」

遅刻を雅矢に謝る。
部長の顔にはいつもの笑顔が見られない。
そして彼女は、雅矢に次に語る言葉に迷っているかのように、
眼を伏せて考え込んでしまっていた。
部長の視線を追って足元を見つめても、そこには積もった
新雪があるだけだ。雅矢は首を傾げた。

「部長??」

部長は顔を上げると、雅矢に提案する。

「…雪ダルマ、作ろっか。」

「エエッ??」

彼女の唐突な提案に戸惑いながらも、一応賛同する雅矢。
雪の玉を作って2人で転がしていくと、何だか次第に
楽しくなってくる。やがて部長の顔にも笑顔が戻ってきた。
雪玉が彼女一人では押しても動かないほど大きくなってから、
雅矢はそれを持ち上げて縦に重ねた。
綺麗な雪を集めて茶色の部分に付けて化粧直しをした上で、
最後の仕上げに顔を作ってバケツの帽子を被せた。
そして部長より背の高い大きな雪ダルマが完成した。

「立派な雪ダルマになったね。」

「そっスね。腹黒ダルマだけど、立派っスね。」

腹黒ダルマと聞いて、部長が声を立てて笑う。
つられて雅矢も大声で笑い出した。
一頻り笑ってから、彼女は真顔に戻ると彼の顔を見上げた。

「…あのね、雅矢クン…」

部長がようやく話を切り出そうとしたその時だった。
2人に馴染みの声が掛けられたのは。

「おーい、まークン!! 部長―!!」

声がする方に顔を向ければ、山田、夏帆、智花の三人が
こちらに手を振っている。
ほどなく3人が雅矢たちに合流する。

「ヤーマダ。何でこんなところに??」

「夏帆ちゃんがチョコくれるって言うんで、出て来たのさ。」

その一言で、すっかり忘れていたバレンタインデーのことを
思い出す雅矢。

そう言えばオレ…部長からチョコを貰ってないケド…。

…しかし、チョコの一言でもう一人、部長がピクリと反応した
ことには、彼を含めて誰一人として気付かなかったのである。

「義理チョコよ、義理チョコ!!」

山田の言葉を補足するように、「義理」を強調する夏帆。

「智花には本命いるけど、智花からも貰ったでしょう??」

「わ…私は、別に本命なんて、そんな…」

その言葉に智花が赤い顔になって口ごもる。
もちろん彼女には本命チョコを渡したい相手がいるのだが、
その機会がなくて、今も持ち歩いていたのだ。

山田は、バレンタインデーの日に一緒に公園にいる雅矢と部長を
見て、2人が予想より上手くいっていることを確信した。

…まークン、きっと本命チョコを貰ったんだな…。

もちろん祝福する気持ちは大きかった。しかし、本命チョコへの
羨ましさも手伝って、雅矢への対抗心が燃え上がる。

「まークン。せっかくだからここで雪合戦しないか。
 そっちはまークンと部長、こちらはこの3人でどうだ。」

夏帆が即座に賛成したので、公園にて雪合戦の運びとなった。
これは2人対3人…と言うより、
実質的には雅矢対山田&夏帆の雪合戦勝負である。
部長に雪玉を投げようとする者はいないし、逆に彼女が人に
雪玉を投げるということもない。
智花は智花で、雪ダルマの陰に隠れて雪合戦には参加しないからだ。

雪合戦はなかなかいい勝負になっていた。
雅矢が人並み外れた運動能力を持っているのは周知の事実である。
しかし、山田も夏帆も運動神経抜群、そして2人とも己の素早さには
自信を持っていた。
さらに山田も夏帆も、負けず嫌いでムキになるタイプだったからだ。
白熱した雪合戦の中で、山田が雅矢を言葉で煽った。

「まークン、義理チョコパワーを見せてやる!!
 本命チョコ貰ったヤツなんかに、オレは負けねーぞ!!」

その言葉にカチンとくる雅矢。そして再びピクッとする部長。
雅矢は雪ダマをバレーボールほどの大きさに丸めるとパンパン叩いた。

「まじデ。」

「なんかツヤでてる。」

山田も夏帆も、思わず持っていた雪ダマを取り落とした。
部長は両手の仕草で雅矢を止めようとする。
次の瞬間、雅矢が力任せにそのデカイ雪玉を放り投げた。

「わーっ!!…」

しかし砲弾のような大きさが幸いして、それは避けられないほどの
スピードではなかった。
2人はたやすくそれを避けていた。
雅矢が即座に第二弾を準備する。
そして第二投のモーションに入った。
雪の砲弾をぶつけられては堪らないと、山田がヤジを入れた。

「自棄になってるな、まークン!!
 さては、部長からチョコ貰えなかったのか!?」

単なるヤジのつもりだったのだが、何と核心を突いてしまった。
雅矢と部長の心にそれはグサリと突き刺さる。
思わず動揺した雅矢の手が滑った。
何と雪ダマは部長の正面へと飛んでいく。

「避けてください、部長!!」

皆が声を合わせて叫ぶ。部長もその雪ダマには気が付いた。

…決して避けられないタイミングではなかった。
それに部長には天然が入っているが、運動神経は悪い方ではない。

しかし、彼女は避ける代わりに、そのまま眼を閉じてしまった。

「部長ーっ!!…」

大きな雪玉が部長の額の辺りに当たって砕け、次の瞬間、彼女は
そのままそこに倒れこんでしまった。

「…わーっ、部長ーっ!!…」

「バカ、バカ、バカ!! 本当にバカじゃないの!?」

突然の出来事に慌てる4人の声も、意識を失って倒れた部長の耳に
届くことはなかった。





…部長は、どんな人が好きなんスか??…


…優しい人…かな…





雅矢が自分に逢いにきてくれたあの夏の日の出来事…
どうやら彼女はその時の記憶を夢に見ていたらしい。

どれくらいの時が流れたのであろうか??
部長は、雅矢の背にいる自分に気が付いた。
雪玉の弾けた衝撃で彼女は軽い脳震盪を起こしていたらしい。
山田や夏帆たちの姿はもう見えなかった。
彼らにも迷惑をかけてしまったかと思うと彼女の心は痛んだ。

部長を背負った雅矢は、雪道を黙々と歩いていた。
おそらく、彼女を家に送り届けるつもりなのだろう。

「…雅矢クン…私…」

「部長、気が付いたんスね!!…本当にすみませんでした。
 オレ、決して部長を狙った訳では…。」

懸命になって謝る雅矢の言葉を、部長が途中で遮った。

「雅矢クンは全然悪くないんです。
 だって…私…わざと避けなかったのですから…。」

「エエッ??」

確かに今日の部長は、様子が少し変だとは思っていたけれど、
どうしてオレの投げた雪の砲弾を自分の顔で??

「あれは…自分への罰なの…。」

…バツ…抜…伐…×…罰…エエッ、罰?!

「罰っスか??」

部長の意外な言葉に、雅矢は振り向いて聞きなおす。
彼女が罰を受けなくてはいけないことをするなんて信じられない。

「…うん…ごめんね…。…実は…雅矢クンへのプレゼント、
 今日、渡せなくなっちゃったんだ…。」

「??」

部長は、ポツリ ポツリと今日の出来事を語り始めた。

雅矢のために手作りのチョコレートケーキを作ったこと、
公園に来る途中で雪の中で泣いている小さい子供に出会ったこと、
子供を送っていった先が子供の誕生日にもケーキが買えない本当に
恵まれない家庭であると知って手作りケーキを置いてきたこと…。

彼女の話を最後まで聞くと、雅矢は独り言のようにつぶやいた。

「部長らしいっスね。」

「…本当にごめんね。
 …あれは…雅矢クンへのプレゼントだったのに。」

「いや、オレも部長は正しいことをしたんだと思います。
 …それにオレ…部長らしい部長が好きっスから。」

雅矢の素な告白に思わず赤面する部長。
急に彼の背に負われているのが恥ずかしくなってきた。

「…あの…もう大丈夫ですから、降ろしてくれませんか??
 背負われていると、少し恥ずかしいですし…。」

「それはダメっス。」

雅矢はキッパリと部長の申し出を拒絶した。
いくら軽いとはいえ、脳震盪の彼女を歩かせることはできない。
しかも滑りやすい雪道なのだから、なおさらだ。

「…えっと…これはオレにチョコをくれなかった罰っス。
 恥ずかしくても、家に着くまでは絶対に降ろしませんからね。」

雅矢はそう答えると、そのまま部長を背負って黙々と歩き続けた。
彼女も、もう降ろして欲しいとは言わなかった。
ふと彼女の記憶がフラッシュバックする。

…部長は、どんな人が好きなんスか??…

雅矢の温もりを感じながら部長はその瞳を閉じた。
そして…心の中でそっとつぶやいていた。


…雅矢クン…

…君は私より…遥かに優しい人だよ…


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「なごり雪」の表紙と雰囲気をベースに描いてみました。
さて、部長は上のようにつぶやいていますが、実は少し違います。
まークンが底抜けに優しいのは部長に対してだけ…
それに対して部長は誰にでも優しいのです。
ですから、数式(不等号)で優しさの大小関係を表すと、

まークンの部長への優しさ > 部長のまークンへの優しさ
> 部長の皆への優しさ >> まークンの皆への優しさ

こんな感じでしょうか。



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