妄想企画「お茶にごす。全30巻」Part.32 (3年お茶vsティー・バトル?!)



今日はこのブログでのこっそり企画、「妄想お茶にごす。全30巻」に、だいちさんからお寄せいただきましたショートストーリーの紹介です。

今回は、「妄想お茶にごす。第22巻」のイギリスからの交換留学生とのお茶VSティーバトル(!?)
まさにそれっぽいお話になってます(笑)!
だいちさん、今週もありがとうございました!

以下、だいちさんからのご投稿です^^
↓「続きを読む」をクリック



<背景>
春を迎えて雅矢たちも最上級生に。
しかし新学期、とんでもない学生が開高にやってきた。
なんと、青い目の交換留学生デビット。
イギリス紳士を自負する彼は、英国流ティーマナーを広めるべく、
ティーマナー研究会を開高に立ち上げた。
さらに彼は、茶道を時代錯誤のマナーと決め付けて廃部を提案し、
代わりに自分の研究会を部に昇格するようにと生徒会に進言した。
ついにお茶とティーの争いは、部の存続を賭けた勝負に発展する。
そして、茶道部代表に選ばれた雅矢は、はたしてデビットの
英国風ティーマナーに勝てるのだろうか!?


―――――――――――――――――――――――――――――――――


茶道とティーマナーの勝負は駅前の商店街の一角で行われた。
それぞれ抹茶と紅茶を来客に振舞い、審査はどちらが美味しく、
より多くの人々に支持を得られたかで行われる。

「これで、20票差デスね??」

金髪碧眼でハンサムなデビッドに引き寄せられて、多くの女性票が
紅茶へと集まった。
その一方で、怖い風貌に雅矢の傍には誰一人近付こうとはしない。
デビッドのテーブルはいつでも満席、一方、雅矢の茶室は閑古鳥が
鳴いている。

「ヘイ、マサヤ! コワイよ、ユーの顔!!」

これは当然といえば当然の成り行きだった。
茶道部代表に雅矢が選ばれたのには理由がある。
イギリス紳士を自負するデビッドは、紳士的な決闘するならば
男の部員をと指名してきたからだ。
イケメン勝負ならば山田に頼みたいところだが、茶道で彼を
選ぶのはムリすぎる。
そこで残る選択肢として、雅矢が代表に選ばれたのだ。
夏帆が絶望的な状況にその頭を抱えた。

「…ダ…ダメかもしれない、この勝負…」

伝統ある茶道部を自分が潰したと知ったら、部長がどんなに
悲しむことだろう。
そう考えると、目の前に部長の顔が見えるような気がした。

「…大丈夫…夏帆ちゃんは大丈夫よ。」

幻覚かもしれないけど、部長に励まされると何だか元気が…。

…ウン?!…

エエエエエエッ!!

間違いなく部長その人が夏帆の目の前にいたのだ。

「ど…どーして、部長が?!」

驚く夏帆に、部長はニッコリと微笑んで答えた。

「実は、山田クンに呼ばれまして。」

そう言えば、勝負が始まる前から山田の姿が見えなかった。
茶道部のピンチなのに欠席とは本当に頼りにならないヤツだと、
夏帆は怒っていたのだが…。
山田はまだ動揺している夏帆に親指を立ててみせた。

「山田クン、どうして部長を??」

「イヤ、何となく。
男の勘で、部長を呼べば勝てるんじゃないかって思ってね。」

確かに部長がそこにいてくれるだけで、皆、安心できる。
…でも、それだけじゃ勝負には勝てないわ。
圧倒的に劣勢なのは明らかなのだから。

「…アレッ??…」

ふと横を見ると、デビッドが部長の姿を穴の開くほど見つめている。
日本に関する書を読んでイギリスから来日した彼が、心から憧れていた
理想の日本女性の姿がそこにあったからだ。

「…エキゾチックで…何とも素敵な女性デスね…」

呆然と部長に見とれているデビッドに、夏帆が自慢げに紹介する。

「うちの、元部長なのよ。」

「オー・マイ・ガッ!! ユーたちの元チーフ…なのデスか!?」

それを聞いたデビッドは、雅矢たちがうらやましくなった。
彼の目の前ではヒナが部長に状況を説明し、彼女にも審査に参加して
欲しいとお願いしている。

If…Tea time を共に過ごせば、彼女と親しくなれる chance が…

・・・しかし・・・

「…いえ、雅矢クンたちは、私の知り合いですので、公平を期して
私は審査を遠慮させていただきます。」

その一言にがっかりする茶道部一同。
彼らにしてみれば、当てにしていた部長票が得られないのだから
当然と言えば当然だ。
…しかし、それ以上に落胆しているのが何と敵のデビッドだった。
彼の失望は傍目にも明らかだった。肩をガックリと落としている。

「でも…せっかくですから…
雅矢クン…私にもお茶を一服いただけないでしょうか??」

部長は微笑むと、雅矢に一服の薄茶を所望した。
彼女は雅矢の模擬茶室にその身を移す。
雅矢は静かに呼吸を整えると気持ちを切り替えた。

・・・一期一会・・・

部長は、自分にお茶の心を伝えてくれた茶道の先生にあたる人だ。
だからこそ、雅矢は今までの彼女への感謝の気持ちを全て込めて、
心からもてなすつもりだった。
茶道部の存続の問題も、今や彼の脳裏からは消えていた。
今はただ、目の前の女性を一期一会の心をもってもてなそうと、
雅矢は一心に薄茶を点てていた。

「…お召し上がりください。」

やがて雅矢は部長に薄茶を差し出した。
彼女は優雅な物腰で茶碗を手にし、それをゆっくりと味わった。
薄茶を口にする彼女の優美な仕草に、雅矢でなくともお茶の妖精を
連想したに違いない。

「…日本に来て、ハジメテ見ました。
あれが…ヤマトナデシコ…なのデスネ??」

今やデビットも心ここに在らずといった風情だった。

薄茶を飲み終えた彼女は、しばらく瞳を閉じている。
ここは作法に則った言葉を彼女が口にすると誰もが思っていた。
しかし…意外にも部長が口にした言葉は…

「…雅矢クン…私、感動いたしました…。」

彼女は感無量だった。
一期一会を「いっきいっかい」と読んでいた雅矢が、正しい茶道の
精神を以って、自分に最高のもてなしをしてくれたのだから…。
部長は、雅矢に心からの微笑を返して感謝の気持ちを伝えた。
それは鋼の心すら融けそうな、本当に魅力的な微笑だった。

彼女は、美味しいお茶をいただいたお礼をあらためて述べると、
その場から失礼しようと立ち上がった。

その時のことである。

突然、デビッドはティーマナーへの得票の入った箱を雅矢に
差し出すと、キッパリとした口調で宣言した。

「まいりマシタ!! ワタシの負けデース。
茶道は、スバラシイ世界デース。
ワタシ、ティーマナー研究会の部への昇格を諦めマース。」

彼は深々と頭を下げると自らの負けを認めた。
雅矢と部長だけは気付かなかったのだが、2人以外の者には
デビッドの瞳にハートマークが見えるような気がした。
山田の胸にイヤな予感が走った。

勝利は勝利…茶道部の存続を喜ぶべきなんだよな…
でもやっぱ、部長を呼んできたのは少しマズかったかな??
何だか今後、厄介なことが起きそうな気がするぜ…。

彼の不吉な予感は直後に当たった。

「ワタシ、負けは認めマシタ。…But、その代わりデスが…」

…かくして茶道部に、青い目をした厄介な新入部員が一人、
その場にて正式登録されたのである。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


青い目の交換留学生デビット…女子生徒にもてるという意味で
ヤーマダのライバルキャラかもしれません。
ただし、好みの女性のタイプは別なようですが。
面白い設定だったので、楽しいSSを目指して描いてみました。


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コメント

ご感想

こんばんはー。
なんか、今日俺のトム(でしたっけ?)を思い出しました。
雅矢と留学生の対決に、部長が出てきたら勝ち目無いでしょう(笑)。部長はお茶にごすの最強のカードですから。

No title

kazuykさんこんばんは~
そうなんです(笑)元ネタは今日俺のトム君をちょっとイメージしたのですよ^^
やっぱり部長はある意味最強(笑)!

補足です

デビッド君は二年生という設定を考えております。
彼につられて女子一年生が2人ほど今年の茶道部の
新入部員になるという筋書きではどうでしょうか。
もっと癖のありそうな一年生キャラも欲しいですけどね。

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