妄想企画「お茶にごす。全30巻」Part.42 (3年:危険なニアミス)

今日も毎週土曜日恒例になっています、「妄想お茶にごす。全30巻」企画に、だいちさんからお寄せいただきましたショートストーリーの紹介です。

今回は、妄想第28巻の部長の告白とラスボス君とまークンの危険なニアミスでドキドキ!?
だいちさん、今週もありがとうございました!

以下、だいちさんからのご投稿です^^
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<背景>
部長は雅矢を家に呼んだ。両親に彼を紹介したいと言う。
キチンとした格好で挨拶しようと考えて、久しぶりに7・3に
分け、学生服の襟元のフックもキッチリ止めて訪問する雅矢。
しかし、結果としてはもちろん逆効果。
部長の両親は、娘が連れてきた雅矢を見て、あまりのショックに
そのまま凍り付いてしまった。
自分の予想を遥かに超えた両親の反応に、部長は早々に雅矢を
連れて自宅を後にした。
しかし、7・3分けの自分は真面目で優しそうに見えると
信じている雅矢には、事態が判らずに戸惑うばかりだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


雅矢は事の成り行きが全く判らなかったが、部長の両親が
自分を気に入ってくれなかったことだけは感じ取れた。

「部長…オレ、何か悪いことしたっスか??」

雅矢の問いに、部長は少し困ったような表情になった。
さすがに雅矢の外見が怖かったとは、本人には言えない。

「…えーと…たぶん髪型を変えたのがいけなかったのかな。」

彼女はやんわりと彼の髪型について触れた。
しかし、7・3分けを真面目で優しそうな髪形と未だに
信じている雅矢にはそれが通じなかった。

「オレ、ご両親に挨拶する機会なので、できるだけ身なりを
キチンとしたつもりなんスけど。」

雅矢なりにいろいろと気を使ってくれていることを知って、
部長はにっこりと微笑んだ。

「…そうですね。
 でも、普段どおりの雅矢クンで良かったのですよ。」

「普段どおりで??」

「ええ、自分を飾る必要はありません。」

そして部長は頬を染めながら付け加えた。

「…私は…普段のままの雅矢クンが好きですから。」

部長に普段のままが好きと言われて、顔を赤らめる雅矢。
その言葉にふと思い立ち、突然、雅矢は言い放った。

「すみません、部長!!少しここで待っててください!!」

そう言い残すと、雅矢は脱兎のごとく走り出した。
突然の彼の行動に驚いた部長は、彼に声も掛けられず、
そこに一人で取り残された。

…どうしたの、雅矢クン??…
今日は私から伝えたいこと、あるのに。

雅矢に言われたままそこに立ち尽くしていると、ほどなく彼が
走り去った道とは違う方向から戻ってくる姿が見えた。
服装が微妙に違うし、知らない仲間を三人連れていたのだが、
彼女は全く気に留めることなく、笑顔で彼に走り寄っていった。





今日の魔将クンこと亜久間将は、極めて不機嫌だった。
それは軽高のワルの集団『壱忌遺会』が、彼が期待していたほど
暴れなかったため、樫沢理事長が未だに辞任しなかったからだ。
『壱忌遺会』を自制させているのは開高の何とかいうヤツらだ。
邪魔者がいることが判ってから、泥門高から刺客を何人も何回も
送り込ませたはずなのに、未だに成果はゼロだと聞く。

「…鬼頭は、泥門高を任せる器じゃなかったのかな??」

魔将クンが、隣のドラキこと土羅九良に話しかける。
黒い服で身を包み、サングラスを掛けた土羅九がそれに答えた。
彼らの後ろには、不乱健と大上漢の二人も続いて歩いている。

「いや、鬼頭はオレたちを除けば泥門高で一番だからな。
 鬼頭が刺客の人選ミスをしたと言うより、邪魔者が考えていた
 以上に強かったと考えるべきだな。」

その言葉に、ただでさえ怖い魔将クンの顔がさらに怖くなる。

「…ならば、ボクたちが直接手を下さないとダメじゃないか。
 裏で操っていたのが世間に知れるのはまずいのに。」

その時のことである。
上品で美しい乙女が彼の下に走り寄ってきたのは。

「早かったのね、雅矢クン。」

それは悪魔でも魂が蕩けてしまいそうな笑顔だった。
その微笑に、魔将クンと言えども顔が赤らむのを止めることは
できなかった。

「…いえ。人違いです、お嬢さん…。」

彼は礼儀正しく彼女の言葉を否定した。
その言葉に相手はマジマジと彼の顔を見つめた。
しかし、ようやく人違いに納得すると頭を深く下げて陳謝した。

「申し訳ありません。私の知り合いにあまりに似ていたので。」

その一言にギクッとする土羅九。
皆に話すのを忘れていたが、彼だけには魔将クンそっくりの男に
一度だけ合ったことがあったのだ。

…そう言えば、山田ってヤツもかなり強かったからな。
考えてみれば、邪魔者ってヤツらのことじゃないのか??

思わず口を挟もうとするが、彼の前に大上が口を開いた。

「泥門高の魔将クンにそっくりたぁ、どこのワルだ!?」

大上は口が軽い男だった。そして迂闊な性格でもあったのだ。
彼は、隣で魔将クンがもの凄い目で睨んでいたことに気付かない。

「…泥門高?…魔将クン??…」

暴力の世界とは無縁の部長にはさっぱり何のことだか判らない。
キョトンとした表情で亜久間を見つめている。
彼女に悪い印象を与えないうちにと、魔将クンは穏やかな声で
部長に話しかけた。

「申し訳ないのですが、ボクらは先を急いでおりますので
 これで失礼します。」

彼は部長に丁寧に挨拶すると、急ぎ足でそこから立ち去った。
あわてて彼の後を追う3怪人。

「すっげー美人だな。魔将クンの顔が赤くなってたぜ!!」

なおも続ける大上を、肘で突付いて黙らせようとする土羅九。
しかし、鈍感な彼にはそれが合図とは判らない。
角を曲がって部長の視界から消えた瞬間だった。
魔将クンがその表情も変えずに、稲妻のようにその右拳を
振ったのは。

バキッ!!

次の瞬間、大上の身体が木の葉のように宙を舞った。

「…笑いたければ、笑えばいいさ。
 初めてだったんだ、あんなに優しく声を掛けられたのは。」

大上の具合を調べていた土羅九が静かな声で答える。

「笑えねーよ、ウルフは。コイツ、完全にノビてる。
 …少しは手加減しろよ、魔将クン。アホでも仲間だろ??」

しかし、亜久間は気絶した大上を全く気にも留めなかった。
仕方なく、不乱健が動かない大上をその肩に担いだ。

「ドラキ、あの女性について調べてくれないか??」

彼女が邪魔者の関係者と知った土羅九の心中は複雑だった。
それは、彼だけが小学生時代から亜久間を知っている唯一の
男だったからかもしれない。

…まさか、魔将クンの初恋か??…
何だか、これは厄介なことになりそうだな。

土羅九はふうと深い溜息をついた。

「…判った、調べておく…。」

そう、ある意味で部長と彼との出会いこそがラストバトルの
引き金になったことを、誰一人知る由はなかったのである。





部長は不思議な出会いに心から驚いていた。

7・3分けの雅矢クンに瓜二つの人がいたなんて、
今、自分の眼で見たのにまだ信じられない。
双子でもきっとあそこまでは似ていないかも…。

「お待たせしました、部長。」

考え込んでいた部長に、突然、声が掛けられた。
雅矢が戻ってきたのだ。
彼の髪型は普段の寝癖に戻っている。
部長はニッコリと微笑むと彼に語りかけた。

「雅矢クン、髪型を戻してきたのですね。」

雅矢は普段の彼が好きといわれて、髪型を普段のままに
戻してきたのだ。
部長は、先ほど出あった雅矢そっくりの人物について、
驚きを込めて彼に語って聞かせた。

「世の中には、自分そっくりの人が3人いるといいますが、
 あの話は本当だったのですね。
 私そっくりの人も、どこかにいるのでしょうか。」

雅矢は彼女の言葉に暫く考えこんでいた。
やがて彼は自分の正直な感想を部長に伝えた。

「やっぱ部長ソックリの人がいるなんて、想像できないっス。
 オレにとって、部長は世界に一人っスから。」

普段の彼女ならば、雅矢の言葉に頬を赤く染めて、
そのまま俯いてしまっただろう。
…しかし、雅矢に伝えたい事がある今日の彼女は違っていた。

「…部長は世界に一人…なのですか…。
 …ね、雅矢クン…。
 あなたにとって、まだ私は『部長』なのですか??」

「エッ!?」

自分自身の気持ちを確認しながら、彼女は語り続けた。

「呼び慣れているから、変えるの、難しいことは判るよ。」

彼女は、自分も彼を雅矢クンと呼ぶまでに時間がかかった
ことを思い出しながら言葉を繋いだ。

「…でもね…今のままだと、雅矢クンは私と結婚した後も、
 私を『部長』って呼びそうな気がするの…。」

「エエッ!? 部長とオレが…結婚?!」

「…雅矢クン…私…『部長』じゃないんだよ。」

そして、彼女は雅矢の瞳を正面から見つめた。

「今日、両親に会ってもらったのは約束していたから。
 …もし本当に好きな人ができたら、必ず紹介するって。」

そして彼女は、自分の気持ちを素直な言葉で雅矢に伝えた。
どうしても今日、彼に伝えたておきたかった。

「…私は…優しい雅矢クンが…大好きです…。」

雅矢が思いもよらなかった、彼女からの突然の告白。
そして…永遠に続くかのように見詰め合う雅矢と部長…。
凍りついたように沈黙する二人の間を、一陣の風が
落ち葉を巻いて流れていった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


部長の告白を機に、話はクライマックスへと向かいます。
次回はラストバトルの前哨戦と改稿版を、最終回は雅矢と
父の対峙でこれまでの話をまとめたいと思います。
あと2回ですので、もうしばらくお付き合いくださいね。


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コメント

ご感想

こんばんはー。
両親に彼氏を紹介する部長は、やっぱり可愛いですねー。
まーくんも、まーくんらしい振る舞いで笑えました。あの髪型は、やっぱり寝癖なんですかね?普通なら、ワックスとか使わないとダメそうですが(笑)。
展開も良いですね。部長との仲が最高潮とる一方で、危険も迫ってるというわけですね。結構なお手前でした。

お礼

kazuykさん、毎週のご感想提供、ありがとうございます。
このSS投稿もあと2週で終了ですので、ぜひ最後まで
お付き合いくださいね。

No title

kazuyk さん、だいちさん、いつもありがとうございます^^

魔将クンも部長に惚れたら大変ですね(笑)

もうあと2週なんですよね~長かったような短かったような。
連載がなくて寂しいので妄想企画を・・・というのがきっかけだったのですが、ちょうど終わる頃を見計らってしっかり本家の新連載が開始されたのでほっとしてます~!

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