妄想企画「お茶にごす。全30巻」Part.47 (3年:最終回(下)雅矢と父)

<ご注意>
この企画は、「お茶にごす。がまだ連載が終わらず、30巻まで続く」という妄想を行うというものです。
※尚、ファンの勝手な妄想ですので、二次創作が苦手な方は「続きを読む」はクリックしないようにお願いいたしますm(_ _)m。


今日は2回更新で2分割でお送りしています。

(下)は、まークンパパとの対峙シーンです。今回も部長のびっくりなセリフ!や、いままでの集大成の感動シーンあり!!
だいちさん、大作を今まで沢山ありがとうございましたm(_ _)m

☆だいちさんのサイトでも、これまでのお話が読めます!
「お茶」創作ページ 妄想「お茶にごす。」作品選(3年)
http://homepage2.nifty.com/ff7dfc/page096.html
ご興味ある方はぜひご覧になってください~!


以下、だいちさんからのご投稿です^^
↓「続きを読む」をクリック





<背景>
大型ショッピングモール建設のために軽高の経営乗っ取りと
廃校を企む雅矢の父…亜久間 是音(あくま ぜのん)。
雅矢は父を説得するために軽高の理事長室へ急ぐ。
雅矢の行く手を阻む彼の異母兄弟の魔将クンこと亜久間将…
そして泥門高の悪の戦士たち。
かつてない激しいバトルの末、魔将クンに勝利する雅矢。
死闘を越えて彼は本当の優しさを知り、部長の愛を得た。
そして雅矢と部長は、彼の父がいる軽高の理事長室へと
辿り着いたのである。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


贅沢な家具で飾られた軽高理事長室…深夜にも関わらず
一組の男女がまだ仕事を続けていた。
仕立ての良いスーツで身を包んだ40代の男は、その恐ろしい
顔つきから悪魔を連想させる。
これが雅矢の父…亜久間是音だった。
30歳前後の女は、明らかに彼の秘書のようだった。
彼は理事長の椅子に座り、長く電話で話を続けていたが、
やがて受話器を置き、ふうと深い溜息をついた。
深い眉間のしわは、何か彼にとって不都合な事が生じた
ことを物語っていた。

「…社長??…」

「黙っていろ!!宮城!!」

声を掛けようとする秘書を一喝して黙らせる。
その時だった、理事長室のドアが勢いよく開いたのは。
一組の若い男女がそこから入ってくる。
若い男は高校生だろうか、顔が亜久間に良く似ている。
そして傍目にもボロボロの状態だった。
亜久間はジロリとその侵入者を睨んだ。

「雅矢か…その様子だと将に勝ったらしいな。」

「…あんたと…話をしたいんだ。」

その言葉を亜久間は鼻でせせら笑った。

「話だと??将に勝ったくらいでいい気になるなよ、雅矢。
 オレは今、機嫌が悪いんだ。何なら相手をするぜ??
 言っておくが、オレは将の10倍は強いぞ。」

そう言うと彼は自分の指をポキポキと鳴らした。
不穏な空気が理事長室に漂う。

「よしなさい!」

いつの間に入ってきたのであろうか??
一人の青年が雅矢達の後ろに静かに佇んでいた。
静かだが隙のない物腰から、彼がただ者でない事が判る。

「織部さん!? どうしてここに??」

部長が驚きの表情で彼の名を呼ぶ。
織部は彼女に微笑むと静かな声で答えた。

「…船橋クンは、本当に良い友達を持ちましたね…。」

そう、世俗の争いには決して加担しない織部が今ここにいるのは、
山田の友情が彼の心を動かしたからだった。
雅矢と父の確執は暴力では決して解決しない。
…いや、解決させてはならないと山田は考えていた。
しかし、今の自分は力不足…2人の間には入れない。
だからこそ、2人の間に入れる唯一の人に全てを託したのだ。
山田は自分のプライドを捨て、深々と頭を下げて、雅矢の危機を
救って欲しいと、織部に懇願したのである。

「真闘流の亜久間是音ともあろう者が、高校生を相手に
何をするつもりですか。」

織部は真剣な面持ちに戻ると凛とした声で尋ねた。
亜久間は新たな侵入者にその鋭い眼を移した。

「…神統流の織部円か…他人が口を挟むんじゃねぇ!!」

「口は挟みません。
でも、力で捻じ伏せようとするのなら…私が相手をします。」

一瞬、2人の間に凄まじい闘気が漲った。
剛の真闘流に柔の神統流…怒涛の亜久間是音に静水の織部円…
古武道の頂点に君臨する日本最強の武道家がそこで対峙していた。

一触即発の成り行きに息を飲む部長。

しかし、張り詰めていた緊張を先に解き、口を開いたのは
亜久間の方だった。

「…止めておこう。オレとオマエの実力は互角と見た。
 闘えばどちらかが死ぬかもしれねぇからな。」

彼は懐から葉巻を取り出すとそれに火を点けて口にした。

「…で、用は何だ、雅矢。」

「あんたに話を聞いてもらいたい。」

亜久間は片眉を上げて雅矢を見つめた。
何かを考えこんでいるかのように何も言わない。

「お願いです。彼の話を聞いてあげてください。」

部長も一緒になって亜久間にお願いする。
初めて気付いたかのように、亜久間は彼女に眼を移す。

「アンタは??」

「私は…姉崎奈緒美と申します。
 彼とは…結婚の約束をしています。」

部屋にいた全員が、彼女の言葉に心から驚いた。

「…ほう…」

亜久間が改めて雅矢と部長を交互に見比べる。

…まるで悪魔と天使だ…異様な組み合わせだぜ…。

「…まあいい…話だけは聞いてやるから話せ!!」

彼に促されて雅矢は父に語り始めた。
それは彼の高校生活の思い出だった。

茶道部への入部…部活動…合宿…体育祭に文化祭…
友達ができ、ライバルができ、そして恋もした。
雅矢を修羅から優しい人へと変えたかけがえのない時間…

彼はその思い出を心のままに語り続けていた。

この話がオレのビジネスと何の関係があるんだ??

そう思いながらも、亜久間は彼のとめどない話になぜか
聞き入っていた。

「高校は…学校は本当に素晴らしい場所なんだ。
 だから…軽高の連中からも高校生活を奪わないで欲しい。
 頼む、親父!!お願いだ!!」

そう言うと、雅矢は亜久間に深々と頭を下げた。

「お願いします、お父さん!!」

部長も一緒になって頭を下げて彼に懇願する。
他人のために必死に頭を下げて懇願する2人を、亜久間は
無言のまま見つめ続けていた。


…その時である。校庭から大きな声が聞こえてきたのは。

「まークン!?」

これは山田の声だった。

「おーい、船橋!!」
「船橋!?」

樫沢、古田の2人もいるようだ。
3人とも何とか3怪人に勝って軽高に辿り着けたのだ。

「船橋!! 今、どこにいる!?」
「船橋クーン!!」
「まーサン! どこですかー??」

これは夏帆、智花、ヒナの三人だ。
雅矢がピンチと知って、真夜中にも関わらず応援に来たのだ。

「ヘイ、マサヤー!!」
「船橋サーン!!」

何とデビッドにオタ子ちゃんまで軽高にやってきていた。
そう…雅矢が3年の高校生活で得た大切な仲間たち…
彼らが雅矢の力になりたいと次々と集まってきたのである。

誰がどのように伝えたのかは判らない。
しかし、集まってきたのは開高の現生徒だけではなかった。
二年前に卒業した野原と柏井…
昨年卒業した慎大寺、奥沼、結城、沢村…そして他校の生徒も。
雅矢に救われた福部とその友達、さらに軽高の若菜や桂木までが
続々とそこに集っていた。

「…亜久間さん、彼らの声が届きませんか??
 私からもお願いいたします。もう一度、考えて下さい。」

織部もまた深々と亜久間に頭を下げた。

「社長!!」

黙っていられずに宮城も口を挟もうとする。
それを手で制止する亜久間。

「…オレはビジネスに感情を挟まない。
 頼まれたくらいで、一度決めたことは変えねぇ。」

亜久間は彼らの願いをかなえることを拒絶するかに見えた。

「…しかし…だ。
 さっき電話があって、再開発計画がボツになったと聞いた。
 軽高にはもう価値がない。全ては白紙に戻すことにした。」

「エッ!!」

「つまり軽高は…廃校にしないということだ。」

意外な彼の言葉…それを耳にして喜び合う一同。

「…ふん、これはあくまでビジネス上の判断だからな。」

あくまで善意ではないことを繰り返して強調する亜久間。
しかし、彼の言葉に雅矢は素直に応えた。

「ありがとう、親父。…心から感謝します。」

雅矢はもう一度父に深く頭を下げて礼を述べた。
そして部長の肩に手を置くと、踵を返して理事長室から
立ち去ろうとした。

・・・それは突然の出来事だった。

「雅矢!!」

背後から父の声が掛かった。
振り向いた雅矢に彼はたった一言だけ語りかけた。

「…オマエ、優しいヤツになったじゃねぇか…」

父の言葉に雅矢は微笑むと、そのまま理事長室を後にした。



亜久間は雅矢の後姿が見えなくなっても、長い間、彼が立ち去った
ドアをじっと見つめ続けていた。

過去の記憶が彼の脳裏に浮かんでは消えていった。
母に先立たれ、そして父にも縁を切られた薄幸な少年…

アイツは間違いなくオレみたいになると思っていたのにな。
…それが何とも大きく…優しい男になったものだぜ。

やがて亜久間は独り言を呟いた。

「…どうやらオレは…判断を誤っていたようだな。」

その声を聞きつけた宮城が彼の顔を覗き込む。

「社長??」

しかし、彼がもの思いにふけっていたのはここまでだった。
彼は自分の秘書に向かって大声を張り上げた。

「何をグズグズしている、宮城!!
 ショッピングモールがダメになった以上、次の計画だ!!」

「はい、社長!!」

宮城が見た彼は、普段と変わらぬ亜久間組の社長にて独裁者…
亜久間是音の姿だった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


ラストバトル後の雅矢と父親が対峙するシーンを描きました。
これは腕力の勝負ではなく、気持ちの勝負です。
雅矢は父親に自分の頭を下げていますが、父親が雅矢を優しい人に
なったことを認めたことで、二人の勝負は雅矢の完勝ですね。


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コメント

ご感想

こんばんはー。
だいちさん、大変お疲れさまでした!
部長の「彼とは…結婚の約束をしています。」には、驚きました。マジかよって(笑)。
随分長い間書かれていましたよね。読ませていただいて、とても楽しかったです。

No title

kazuykさんコメントありがとうございます。
そうなんです(笑)部長のその衝撃的(?!)なセリフに思わず息をのんでしまったというか!いやもちろんそうなってほしくて、結婚式のシーンとかほんのり期待していたりしていたんですがその一言のセリフだけで全部持ってかれたというか(笑)!kazuykさんもまた創作期待しています・・・^^

えへ

私の描く部長は古風な女性なので、男の人とキスしたら
その人と結婚しちゃうかなって。
話…飛ばしすぎましたでしょうか??
私的にはバレンタインイベントあたりで彼女の気持ちは決まって
いたのですけど、まークンが自分を「部長」ではなくて、一人の
女性として見てくれるのを待っていたのかなって思います。

SS、週間連載の漫画家気分を楽しめました。
kazuykさんの毎週の感想が励みになって、大感謝です。

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